Q、家電量販店で新品の家電製品を購入して、その家電製品を第三者に転売する場合に「古物営業」の許可は必要でしょうか。

2014年10月29日 01:00

 

1, お問い合わせの内容

 新品の電化製品を家電量販店(ビックカメラ等)において仕入れ(転売目的で購入)、その電化製品を販売する場合は「古物営業法」における「古物」に該当するのか。また、「古物商許可」は必要か。


2. 回答

① 「古物」とは

古物営業法(以下、「法」とする。)第2条第1項において、「古物」とは「①一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは②使用されない物品で使用のために取引されたもの又は③これらの物品に幾分の手入れをしたもの」と定義されています(囲み数字は筆者挿入)。

 お問い合わせ内容の「家電量販店において転売目的で購入した新品の電化製品」は、その購入者が直ちに使用する目的で購入したものではないものの、最終的にその新品を購入するエンドユーザーは「使用する目的」で購入するため、「家電量販店において転売目的で購入した新品の電化製品」は、法第2条の「古物」(具体的には上記②)に該当します。

②「古物営業」とは

古物営業法(以下、「法」とする。)第2条第2項において、「古物営業」とは「①古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの、②古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業、③古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)と定義されています。

 この点、「家電量販店において転売目的で購入した新品の電化製品」は、法第2条の「古物」(具体的には上記②)に該当するものの、その「古物」を単に売却することは、上記「古物を売買し」のうち、「古物」を「売る」という行為のみを行い「古物」を「買う」という行為を行わないため、「古物を売買し」に該当しません。

 したがって、「家電量販店において転売目的で購入した新品の電化製品」を販売するだけであれば「古物営業」に該当しないことになります。

③結論

「家電量販店において転売目的で購入した新品の電化製品」を販売するだけであれば「古物営業」に該当しないため、「古物商許可申請」は不要となります。


3. 参考

・照会先:警視庁 生活安全総務課 防犯営業第二係 

・参考条文:

古物営業法第2条

 この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

 2  この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。

 一  古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

 二  古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業

 三  古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)

  ※留意事項:「古物商」については、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全係が窓口となります。担当者により見解が異なる場合があるということが生じえますので、この点につきご承知おき下さいますようお願い申し上げます。

以 上